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【528年前の今日:コロンブス・デー】世界史から見る戦国時代・・・10月12日、アメリカ大陸の発見は先住民にとって侵略記念日

平民ジャパン「今日は何の日」

◼︎バテレンに奴隷として売られた日本人の過去を忘れるな!

 アメリカでも、ハワイ、アラスカ、オレゴン、サウスダコタなど、コロンブスデーを祝日としない州がある。アメリカ先住民たちはコロンバスデーを祝福しない。できるはずがない。日本人はモンゴロイドと分類され、はるか先祖をインディアンと同じくするとされている。
 黄色人種とは白色人種たちが決めたことで、それ自体がレイシズムだ。
 その日本人も奴隷としてアフリカから家畜のように連れてこられたニグロイド(生物学的な黒人)、現在のアフリカ人に対して、思い切り上から見ている。
 アメリカの多数派を占める田舎の白人とたいして変わらない。そうやって人種差別に自覚のないまま、白人に居場所を与えられて満足しているなら、キリシタン大名と変わらない。そこがジャパンのどうしようもなくダメなところだ。
 しかも、じっさいには日本人の方がよっぽど肌が白い(多くの「白人」はそのことに気づいている!)しかし、黄色人種とされている。他民族が決めた肌の色を疑問を持たずに人間の格付けとして受け入れるなら、すでに奴隷の烙印が腕にある証拠だ。

 キリスト教中心の西欧的世界観、白人優位の世界観においては、日本人は異教徒、有色人種として位置づけられている。バテレンに奴隷として世界中に売り飛ばされた過去を忘れるな。それを知らずに、日本人は特別だ、我々は名誉白人だと思っているなら、おめでたいにもほどがある。
 ナパーム弾をばらまいて、アジア人の都市や農村を焼き尽くした東京大空襲とベトナム空爆の数学的大量虐殺は思想も手法も同じだ。また原爆を落とされる。 

 世界帝国として七つの海を制覇し、多くの先住民文明を滅ぼしたが、いまではすっかりシュリンクして軍事的にも経済的にも小国となったポルトガル、スペインは10月12日を「民族の日」としていまでも祝っている。

 イタリアはコロンブスがジェノバ市民だったという理由でコロンブス・デーを祝っている。日本を征服しようとして、間違ってアメリカにたどり着いた遠い過去の栄光を祝っている。

 コンキスタドールとイエズス会宣教師たちが次々と征服していった中南米諸国も同様だ。国土面積世界5位のブラジルだけが唯一BRICSの一角を占める経済規模を持つが、貧富の格差は世界最大だ。山間部、都市部貧民窟の惨状はアフリカ最貧国と変わらない。新型コロナは衛生環境の劣悪な貧民街に蔓延し、多くの犠牲を出している。これもまた征服者による破壊と搾取の遺産だ。

 格差が広がる世界において、奴隷制度は過去のものではない。

 征服した者と征服された者の混血が進んだ中南米の多くの国でも、いまだコンキスタドールの末裔たちが支配階級、富裕層を占める。先住民の末裔たちは何世代にもわたって赤貧のただ中にある。その格差は縮まらない。

 コロンブス・デーを祝日とする多くの中南米諸国、アジアではスペイン皇太子フェリペの島々と名付けられたフィリピンで、先住民たちは先祖代々貧困にあえいでいる。1960年代に入ってから、北米の先住民を中心に、これに異議申し立てする運動が起きた。ベネズエラのように、この日を先住民抵抗の日とした国もあるが、アメリカにおけるメキシコ人「不法」移民、米政府に土地を奪われたチカーノ(メキシコ系アメリカ人)たち、僻地の居留地に押し込められたアメリカ先住民、ブラジルをはじめとする中南米において、最底辺に生きる人々が教育の機会を得て、這い上がれる見通しは無い。多くは独裁政権の下にあり、民主主義には程遠い。
 500年前にやられほうだいやられてしまった人々は、いまでもやられっぱなしだ。そして、時代が変わっても征服者は巧妙に奴隷化を進め、維持する。自らの歴史を知らず、語り継がず、征服者にだけ都合のよい作り話を信じる民族は、武力で滅ぼされなくとも、ゆっくりと衰退し、滅亡していく。ジャパンも同じだ。

 コロンブス航海誌によれば、10月12日、彼らが到着した島の住民は武器を持たず、とても友好的であり、コロンバスたちが価値のないものを与えると、彼らの持っているものを何でもよろこんで差し出した。宗教が無いと踏んだコロンブスたちは、これなら容易にキリスト教徒にできると思った。そしてコロンブスはこの島の男たちを見て、その体躯に見惚れた。

「これは素晴らしい奴隷になる」と。

 目的はジパングを探すことであり、捕獲した先住民たちから黄金のありかを聞き出すことだ。非武装の先住民を連れ去り、あっという間に力で屈服させ、瞬時に奴隷にした。植民を目的とした第2回航海では先住民からの反撃を知り、大虐殺が始まる。動くものは撃たれ、女たちは強姦され、奴隷にされた。 
 オックスフォード大学から出版されている『アメリカン・ホロコースト』によれば、侵略は組織化し、圧倒的な軍事力と欧州人が持ち込んだ疫病が先住民を滅亡の淵に追い込んだ。犠牲の数は、約500年間で、1億人とも推定される。

 平民ジャパンに告ぐ。君たちは黒人でもないが、白人でもない。まして南アフリカにその地位を与えられた名誉白人ではない。生物学的観点からはインディオとルーツを同じくするモンゴロイドと定義されている。君たちは征服者ではない。台湾、朝鮮半島、中国の一部を占領した時代もあった。東南アジアの一部、太平洋諸島の一部をほんのわずかの時間おさえたこともある。
 しかし、第二次世界大戦でボロ負けし、広島に加え、キリシタン400年の地、長崎にまでダメ押しの原爆を落とされ、国土を明け渡した敗軍の民だ。これが戦国時代なら、みな奴隷にされている。
 世界の端にある火山列島の先住民だ。ポルトガル、スペイン、イギリス、オランダの南蛮人に発見されたが、征服され、虐殺されなかったのは、過酷な内戦を勝ち抜き、バテレンを利用しながらも、追放した三英傑が、魔王の如き武門であり、宗教戦争から国土を守った優れた指導者だったからだ。バテレンに洗脳され、物欲で骨抜きにされなかったのは八百万の神と仏教のおかげだ。

 末期資本主義と言われる世界は金融からゲノム、AIに至るテクノロジーの大航海時代に入った。親切なふりをしたネオ・バテレンが姿形を変えて、再び我々を征服し、奴隷化するためにやってくる。現在の日本には金も銀もない。
 平民は武器はもちろん、思想も、戦う意思も持っていない。そして、指導者もいない。

 分断の進むアメリカは本格的にぶっ壊れ始めている。子供だましのようなインターネットミーム(模倣によって広がる行動現象)謀略論が冗談のように拡散する。その先には根深いヘイトとむき出しの暴力が待っている。民間人の保有する銃器は3億丁だ。その波は、まもなく対岸にも届く。
 プラウドボーイズブーガルーボーイズといった秩序破壊と内戦ぼっ発を目的とする武装集団が表に出てきた。人種差別当たり前、奴隷制度上等の連中だ。新しい暴力のファッションが広がっている。カッコウだけを真似て、日本にもいずれ支部ができるかもしれない。

 しかし、モンゴロイドたる平民ジャパン諸君は、白人至上主義やアメリカ南部復活主義者とは、存在自体が相容れないことを知っておこう。

 ハイチ系アメリカ人の父親を持つ、世界的プロテニスプレーヤーの大坂なおみは、警官に殺害された犠牲者たちの名前を記したマスクをつけて抗議の意思を表明した。しかし「黒人差別問題を自分ごとにできない名誉白人たち」には理解されない。スポンサーの食品会社と広告代理店は例によって「政治問題」へのかかわりを避け、シリアスな表情で立つ彼女のポスターに「原宿に行きたい」というおバカなコピーを打った。国際化とともに人種の混血は進むが、日本人による日本人の定義はあいまいなまま「日本人は日本人らしく」という同調圧力が今後ますます強くなる。都合の良いときだけの日本人は滅びてしまう。

 日本は内にも外にも奴隷制度と無縁ではない。

 いつの間にか、パードレに導かれて奴隷船に乗せられていないか。10月12日の今日、ジャパンは、コンキスタドールたちが征服を目指した「ジパングの先住民」という目線から、「コロンブスの日」と向き合ったほうがいい。【猫】

猫島カツヲ

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猫島 カツヲ

ねこじま かつを

ストリート系社会評論家。ハーバード大学大学院卒業。

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